大阪北部エリア

North Osaka area

美しき日本の名水を求めて

もみじの天ぷら、名水生まれのお豆腐、
世界から注目されるウイスキー。
水の都が教えてくれた、
新しい大阪の歩き方。

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Prologue

豊かな水と、
その恩恵を受けた文化が育まれたことから、
大阪が「水の都」と呼ばれていることを、
この旅をするまで知らなかった。

Until this trip, I had no idea that Osaka is called the “Water Capital”
because of its abundance of water and the culture that has been nurtured by its bounty.

今回訪れた箕面エリアで出会った
「離宮の水」や「水無瀬の水」がくれた、
豊かで、優しく柔らかな時間と出会い。

In the Minoh area that I visited this time,
I encountered a rich, gentle and soft time given by the water of the Rikyu and the water of Minase.

大阪と、水について、
あらためて見つめなおしてみる。
めくるめく新しい大阪の旅、
はじまり、はじまり。

A fresh look at Osaka and water.
A dazzling new journey through Osaka is about to begin.

Go around the spot

大阪の名水を巡る

Travel around North Osaka
in search of Japan’s beautiful water.

高さ33mから滑り落ちる姿。
勢いよく流れる水に
自分の心も浄化されそう

箕面大滝

Minoh Falls

「大阪」と聞いて豊かな自然や滝が思い浮かぶ人は少ないかもしれない。だけれど知ってほしい場所がある。それが、「日本の滝百選」に選ばれた箕面大滝だ。高さ33mから勢いよく流れ落ちてくる滝の下には薄らと時折七色の虹が現れる。紅葉や椿の花が水の上でゆらゆらと踊り、名残惜しげに河口へと去っていく。ザザザーッと大きな水の音を聴いていると、騒がしかった心が休まってくるから不思議だ。
お喋りを楽しむお年寄り達や、ランニングを楽しむ人、ちいさな子供達の集団。「日本の滝百選」と聞くとなんだか王道の観光地のようなイメージがあったけれど、駅前からのんびり散歩を楽しみながら立ち寄ることのできるこの場所には、地元の方々や旅人達が賑やかに混ざり合う憩いの場所のようで、なんだか肩の力が抜ける。
マイナスイオンをたっぷり浴びたくなったら。この箕面大滝へのお散歩コースをスケジュールにいれておきたい。ここで、美しい四季の彩りと大滝の織りなすコントラスト、そしてそこに集う人々の醸し出す穏やかな雰囲気を、ぜひ楽しみにきてみてほしい。

箕面大滝

所在地
〒562-0002 大阪府箕面市箕面公園2-2

電話番号
072-723-1885

定休日
なし

https://minohkankou.net/

手間暇を惜しまずひとつずつ。
一度は食べてみたいもみじの天ぷら、
おひとついかが

久國紅仙堂

Hisakuni Kousendo

から箕面大滝へ向かう道すがら、古くからそこで商いをしている店や歴史ある建物の情緒を楽しむことができる。ふと、香ばしい匂いが漂ってきて視線をやると、そこには「天ぷら」の文字が。店先では油の中でもみじ達が踊っている。ふらり足を踏み入れた「久國紅仙堂」は、創業1940年から80年に渡り紅葉天ぷらを作り続けてきた老舗だ。味はプレーン、塩味、きな粉味などレパートリー豊か。自分達の山で無農薬栽培で育てあげ、水洗いをし、そこから1年以上塩抜きして初めて素材の下ごしらえが完了する。てまひまと愛情をかけて作られたもみじの天ぷらはさっくりと癖がなく、カリカリ歯触りも楽しい。

お店の中にはカフェも併設されていて、旅行者も地元の方々もひっきりなしに訪れていた。約1300年前に生まれた箕面の名物もみじの天ぷら。気づけば全味制覇していた。

久國紅仙堂 Cobeni店

所在地
〒562-0001 大阪府箕面市箕面1-4-19

電話番号
072-723-6283

定休日
木曜日

https://www.hisakuni.net/

世界中から熱いラブコールを受ける、
日本のウイスキーの故郷へ

サントリー山崎蒸溜所

Suntory Yamazaki Distillery

イスキーを美味しいと感じるようになったのは、何歳の頃だっただろう。一口飲んではその独特な香りにクラクラしていた20代が懐かしい。サントリーのウイスキーと言えば、きっとその名を知らない人はいないはず。実はこのウイスキーづくりをしている山崎蒸溜所の周辺には大阪の名水、「離宮の水」が今もこんこんと湧いている。自然環境に恵まれた場所でつくられるウイスキーは、清清しい自然の恵みが凝縮された様な華やかでやわらかい香りを楽しめるつくりになっている。
三島郡島本町山崎にある蒸溜所は、見学ツアーやギフトショップも併設されていて、ウイスキー好きにはたまらない。山を背負いどこも広々としていて、気持ちが良い。テラス席で心地よい日差しを浴びながら、みな良い顔で寛いでいて、美味しいお酒を手に、ニコニコしている。見ているこちらもほろっ、と良い気持ちになってきた。

わたしも一口、いただいてみる。まさに大人になったご褒美のような味がした。

サントリー山崎蒸溜所

所在地
〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5-2-1

電話番号
075-962-1423

定休日
年末年始、工場休業日
(臨時休業あり)

※工場見学および山崎ウイスキー館見学(ショップ、有料試飲の利用含む)は、インターネットまたはお電話による事前予約が必要です。詳細はHPをご確認ください

https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/

離宮の水の水みくじを引きに。
聖水を湛えた、
清らかな空気が通り抜ける神宮

水無瀬神宮

Minase Jingu

宅街の中にひっそりと佇む社。ここ水無瀬神宮は、客殿と茶室の燈心亭が重要文化財として登録されている鎌倉時代から続く神宮だ。入り口の厳かな雰囲気とは裏腹に、境内には世界にひとつだけの、同じ柄のものはふたつとないお守りや、お花やハートを模した和紙を自由に貼ってデザインする事ができる御朱印、くるくる回る色とりどりの風車と、随分とにぎやかでホッとする。水無瀬神宮と言えば「名水百選」に選ばれ、千利休も愛したと言われる「離宮の水」が有名で、水汲み場には朝から多くの人々が訪れていた。いくつもの種類のあるおみくじを眺めていたら、この離宮の水に浮かべて運勢を占う「水みくじ」を見つけて、ひとつ試してみた。おそるおそる紙を水につけると、真っ白だった紙に「末吉」の文字がじんわりと浮かび出る。おみくじを開いて運勢を占うよりも、名水に導かれてこの結果があるようで、普段よりなんだかちょっぴり神聖な気持ちになると同時に、説得力も感じる。今年1年、この水みくじの結果通り、何ごとにも誠実に生きていこうと思う。

水無瀬神宮(みなせじんぐう)

所在地
〒618-0011 大阪府三島郡島本町広瀬3-10-24

電話番号
075-961-0078

定休日
特になし

離宮の水取水:6:00~17:00
茶室灯芯亭の拝観:要予約 / 往復ハガキまたは電話にて1週間以前に5名様以上の場合に限る

https://www.minasejingu.jp/

水無瀬の名水を使ったお豆腐屋の、
もう1個だけと永遠に手が伸びる
まんまるドーナツのこと

いちまるとうふ

Ichimaru TOFU

から「名水の町」として親しまれてきた島本町にある「いちまるとうふ」は、材料の大豆やにがりから無添加にこだわり、愛を込めて豆腐作りをするお店だ。お水は、いにしえより豊かな山によって育まれた良質な地下水を使用している。「この水に出会った時に、ここでお豆腐屋さんをやろうと思ったんです」と語る店主の作る豆腐は、しっとりと甘くて、雑味がない。店内には寄せ豆腐やひろうす、甘酒豆乳におからなど、美味しそうな名前がずらりと並び、つい目移りしてしまう。
中でも私が心奪われてしまったのは、まんまるのおからドーナツ。素朴で飾り気のない味は、無限に何個でも食べられてしまう。「1個30円」の文字が信じられず、驚いていると「地元の子供がお小遣いを握りしめてやってくるので、値段が上げられないの」とお母さんが笑って教えてくれた。取材中も次から次へとお客さんがひっきりなしにやってくる。地元に根付き、愛されるお店だ。

いちまるとうふ

所在地
〒618-0011 大阪府三島郡島本町広瀬4-22-5

電話番号
075-961-5499

定休日
日曜日

https://ichimarutofu.com/

名物お父さんに負けない名物うどん。
小説家も愛したもちもちでしっとり、
喉越しすっきりの味ここにあり

かぎ卯

Kagiu

「小説家 谷崎潤一郎の小説に登場するうどん屋」として多くのファンが訪れるお店、かぎ卯。明るいちゃきちゃきの関西弁で迎えてくれたお父さんは、この道50年。24才でこのお店を継いでから、毎日うどんと向き合っている。香川から取り寄せている麺を約15分間じっくりと離宮の水でゆがいていく。「やっぱり名水は違いますか?」と質問すると「違うかはわからないけど、まろやかで良い水だよ」と返ってくる。私の注文した豆乳つけめんは、あたたかな白味噌ベースのだし汁に、たまねぎと素揚げしたお麩がちょこんと添えられている。一口すするともっちりと歯触りの良い麺と、甘すぎず、ふんわり良い匂いのする白味噌があまりにも美味しくて、夢中で食べてしまった。厨房からニコニコと笑うお父さんに見守られながら食べる優しい味のうどんは、この旅で忘れられない味になった。

かぎ卯

所在地
〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎3-4-1

電話番号
075-962-0700

定休日
火曜日、水曜日

営業時間
11:00-14:00(L.O.)/17:00-19:00(L.O.)

目の前に広がる大阪の夜景を、
料理とともに味わう。
これぞまさに「贅沢」の極意

みのお山荘 風の杜

Minoh Sansou Kaze-no-Mori

高約260mの箕面の高台にある宿「みのお山荘 風の杜」の魅力は、なんといってもその景色にある。最初に訪れたテラスで迎えてくれたのは大阪の高層ビルを遠目に、その向こうに広がる山とゆったり流れる雲。そして関西空港へと降り立つ飛行機で、なんと言うか、あまりにも美しく出来すぎた景色で作り物かと思ったほど。ため息が出た。まるでここは別天地、ユートピアのようだ。
この景色は、客室からはもちろんのこと、ロビーや温泉、食事処からも楽しむことができる。昼間の景色も素敵だったけれど、私が心打たれたのは夜景だ。街に散らばる色とりどりの光は星のように瞬いていて、遠くを走る車群はゆらめく光の波のようだった。そんな景色をうっとり眺めながらいただく、フレンチ風の和食懐石が美味しくないわけがない。安易に「絶景」という言葉を使いたくないのだけれど。お皿の上も、目の前も宝石箱。胸もお腹もいっぱいです。

みのお山荘 風の杜

所在地
〒562-0001 大阪府箕面市箕面2-14-71

電話番号
072-722-2191

定休日
なし

https://www.minoo-kazenomori.com/

Epilogue

水が流るるように、
彼方此方風の向くまま気のむくまま

Text, Model

古性のち(こしょう・のち)

BRIGHTLOGG,INC. 取締役
写真家・コラムニスト

1989年横浜生まれ。2016年から世界30カ国を旅し日本に帰国後、2021年より岡山県玉野市と東京の二拠点生活をスタート。現在約20万人のファンを抱える自身のSNSでは写真と言葉を組み合わせた作品の発表をはじめ、暮らしに関するコラムやエッセイを展開中。若い女性を中心に人気を集める。共著「 Instagramあたらしい商品写真のレシピ 」、2022年単著「雨夜の星をさがして 美しい日本の四季とことばの辞典」を発売。

PhotoShoichi Fukumori

EditYuria Koizumi

ProduceBRIGHTLOGG,INC.

  • ※撮影時のみマスクを外しています。
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